はかなく

夏なかば、樹木に囲まれた公園は、いつものように朝からアブラゼミの大合唱に包まれていた。
何十匹、何百匹といるのだろうか。大音量は耳中で反響し続ける。
その音にも慣れて気にならなくなるころ、空からプロペラのように旋回して物体が落ちてきた。
アブラゼミの羽。見上げると、木の枝に鳥。ヒヨドリが補食している最中だった。
引きちぎられたばかりの羽の付け根は、水水しく青白く放つ。乾いた羽の油色と対比の美しさに、
身震いしながらも凝視してしまう。地面に残されたそれは、生々しく生と死を語る。
しばらくすると、一匹のアリが運んでいった。
そしてまた、くるくるとプロペラが落下。繰り返し面白いように捕まる。
ここは鳥たちの餌場なのだろう。おびただしい数の羽が足元に残されていた。
今年も東京で、多数生息していることに安堵したが、この勢いでは食べ尽くされそうな気もする。
6〜7年後に羽化するセミは激減だろうか?それを待たずして、この公園も・・
来年も様子を見に来よう。(私の地域ではクマゼミが優勢。)
月夜と秋の虫の音に浸るも 夏の記憶を記す白露